12月 師走
  12月は「師走」という別名通り、何かとあわただしく過ごしてしまう時期です。12月の季語の中には、自然からくる季語以外にそうした年末らしさを表す季語も多く見られます。「春支度」「年の市」「羽子板市」「歳暮」「御用納」「年忘れ」「除夜の鐘」と並べてみると、一年の終わりの独特な雰囲気が伝わってきます。
 木枯らしが吹き、木々は冬枯れになって、自然は冷たく閉ざされたような印象さえ感じさせます。年末のあわただしさも手伝って、ついつい自然には目が向かなくなる時期ではないでしょうか?そんな中で、自然のすばらしさ、植物の生命力に目を向けさせてくれる素敵な句に出会いました。
斧入れて 香におどろくや 冬木立  蕪村
 冬枯れの林の中で木を切ったとき、木の香りがだだよってきたという小さな発見のように見えて、実は自然の大きな力を感じるところにつながっているように思います。表面は枯れているようでも、確かに木の中で息づいている力は、私たちにも元気を与えてくれるような気がしてきます。
 12月22日は冬至。この頃になるといよいよ寒さが本格化してくるとも言われます。
冬至に「ゆず湯」に入り「冬至かぼちゃ」を食べる風習が日本にはあります。かぼちゃの栄養やゆず湯に入る効能も言われますが、生活の中にちょっとした自然の恵みを取り入れることで、忙しさにほっと一息入れ、豊かな気持ちで新年を迎える準備に取りかかれるのかも知れませんね。

※与謝蕪村(よさぶそん) 

1716(享保元年)〜1783(天明3年)

江戸時代中期の俳人・画家。本姓は谷口。摂津国東成郡毛馬村(今の大阪市都島区)に生まれ、20歳のとき江戸に出て俳句の道に入る。一時、丹後国(京都府)与謝で画業に専念した後、京都の画壇・俳壇で活躍した。画家としては、山水画や俳画など多くの作品を描き、俳画『奥の細道図屏風』や池大雅(いけたいが)との合作『十便十宜帖』が有名。俳句では、芭蕉のあとをしたいながら,さらに新しく独自の道を開き、絵のようにくっきりとした絵画的な俳風を確立。句集に『蕪村七部集』『夜半楽』『新花摘』など。
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