7月 文月
   梅雨も明け切らないこの季節、七夕の夜は雨や曇りが多く、綺麗な天の川を見ることができずがっかりすることが多いですね。でも、旧暦の七夕の頃は天気が安定し空が澄み切って星が美しく見える季節。今と昔では七夕への思いや楽しみ方にずいぶん違いがあったのかも知れません。(ちなみに「七夕」は秋の季語です。)「七夕」「星の恋」「天の川」と言葉を連ねるだけで、なにかしら切ないような心ときめく気持ちになります。短冊に願い事を書くのも子どものみならず楽しくわくわくするものですね。
 梅雨の晴れ間の強くまぶしい光は夏そのもの。「日傘」「夏帽子」が大活躍です。こんな夏の小物もこの季節を彩る季語になっています。
夏帽の日を照り返す渚かな 秋桜子
 シンプルな句だけにそれぞれに風景が広がり、想像がふくらむような気がします。あなたの中に広がったのはどんな情景でしょうか?素敵な人と行く海、夏の恋の予感がする浜辺、それとも子ども達が波とたわむれる姿…。
 暑さにぐったりするにはまだ早いこの季節は、不思議と夏の陽差しを心待ちにしてしまいます。夏の強烈な陽差しは人の心まで熱くさせる何かを持っている気がしてなりません。今年の夏、わたしは何かに熱くなれるかな・・・?

※水原秋桜子
(みずはらしゅうおうし)
 1892(明治25)〜
 1981(昭和56)
正岡子規が拓き、高浜虚子が大きく開花させた近代俳句をさらに豊かにした次世代の代表的な俳人。山口誓子、高野素十とともに『ホトトギス』の4Sとよばれる花形俳人になるが、昭和9年(1954)、『馬酔木(あしび)』を主宰して独自の俳句活動に入る。

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