4月 卯月
   桜の季節ですね。日本で花と言えば、桜を指すのが通例であるというばかりでなく、気象情報にも当然のように桜前線が登場します。日本人にとって桜は春の訪れの象徴、特別な存在感を持つ花なのでしょう。「花見」「夜桜」「遅桜」「葉桜」「花冷え」「花曇り」と桜の表情とともに、桜をとりまく様々な情景や気象現象が描写されます。花見のお祭り騒ぎに心躍らせる人々、夜桜を見上げる恋人達、花冷えの日の大切な人との別れの哀愁に浸る人……と、桜を背景にした人間模様に想像が広がります。
 春には桜、桃、杏といった桃色の花が多いのですが、明るく風景に彩りを添える黄色の花も数多くあります。菜の花、たんぽぽ、山吹などの黄色は、どこかしら力強さを感じさせてくれます。
「蒲公英や日はいつまでも大空に」 汀女 
 蒲公英(たんぽぽ)の力強さと春のおおらかさに励まされるような気持ちになりました。春は出会いの季節、入学、進級、就職といった様々なスタートの季節ですね。出会いの風景の中にはどんな花があるのでしょうか?傍らで励ましてくれるのはどんな花でしょう?


※中村汀女
  (1900−1998)
熊本県出身。本名破魔子(はまこ)。20才で結婚、翌年夫とともに上京。高浜虚子に師事。大正・昭和を代表する女流俳人。昭和55年文化功労者。

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