2月 如月
   穏やかな天気が数日が続き、春の訪れかと軽やかな気分でいたら、真冬の寒さが戻ってきました。立春後の寒の戻りを表す季語は、さまざまにその寒さを表現しています。
冴返る。凍返る。春寒。余寒。
今日の風の質感を伝えるのは、どんな言葉でしょうか?
 さて、この2月の季語で気になるものを見つけました。「猫の恋」という季語です。「恋猫」「うかれ猫」「春の猫」という言葉も使われるようです。猫の発情期は春と秋の2回と言われますが、様々な生命の息吹が感じられ、輝き始めるこの春にこそ、悩ましい猫の恋は似合うのかも知れませんね。この季節の猫の鳴き声は古人にとって、理性によって押さえつけられることの多い人間の恋愛感情を嘆く気持ちを呼び起こす効果を持っていたのでしょう。
「なの花にまぶれて来たり猫の恋」 一茶
 三寒四温、まさにその通りの季節の移り変わり。一足飛びにとはいかない季節の余韻を楽しむゆとりを持ちたいと思いつつ、猫ならずとも誰もが恋をしたくなるような暖かな春が待ち遠しいです。私に春の恋が訪れるかどうかは大いに疑問の残るところですが……。

小林一茶 
(1763ー1827)
 江戸後期の俳人。本名、信之。信濃柏原の人。俳諧行脚の生活を送ったが、晩年は故郷に帰り、俳諧宗匠となった。作風は俗語を駆使したもので、日常の生活感情を平明に標記している。

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